2014年1月29日水曜日

プロット・ハウンドによる巻狩からのジビエ


先日、猪の巻狩りグループの会長から連絡が入り巻狩りへ。鴨、ヤマドリ、キジの猟には何度か行ったけど猪は初。ちなみに鳥撃ちは自分で獲ったことがない。クレーの練習に行ってないので全然上手くならないのです。

さて、巻狩りの方はというと、とりあえず銃だけ持って会長の軽トラに乗せてもらい同行。早朝、何名かで猪の足跡を無線で連絡をとりながら広範囲で探す。最終的には10名程になっていたので5〜7台で廻っていたと思われますね。足跡の見分け方や進んだ方向、何時歩いたかなど会長から教わった。上の竹の写真も猪の通った跡。白っぽくなっている部分が体の泥を擦っていった跡で、どれくらいの高さに付いていているかで体長を予測する。

猪の入った山を見つけたが、別でも見つかりそちらで集合になった。到着した頃には既に犬を放していて無線で猪が出てきそうな場所の指示が出ていた。のんびり足跡を探していた時とは一気に空気が変わり慌ただしくなった。犬のポイントを確認して猪が逃げていく方向を予測。山と山をつなぐ獣道の出口に立って待ち伏せする。犬の動きを見ながら待ちぶせ、移動の繰り返し。常に無線で状況を把握しないと動けないので、無線なしでは巻狩りはできない。ちなみに俺はまだ持っていないのでベテランハンターが見かねて「聞く専用」でハンディの無線を貸してくれた。「ここに立ってろ」と車から降ろされ、どっちから出てくるか分からないからキョロキョロしながら待機。「あっちの山に行ったぞ〜」と無線が入り別のベテランハンターにピックアップしてもらい移動。みんな俺のオヤジ位の年齢で中には80代の長老ハンターもいた!多分、支部射撃会の時に杖をツキながらきた爺さんだ。とにかく皆夢中で車を走らせて楽しそうだったのが印象的だった。

移動する山や場所には自分たちだけが分かる名称が付いている。漫画「マタギ列伝」に載っていたマタギ同士でしかわからない隠語のようなものだ。阿仁マタギたちは、銃=シロビレ、マタギの頭=シカリ、など普通の人には分からない隠語で会話をする。実にかっこいい。このグループの隠語はというと...ションベン山とかウンコたれ山。◯◯さんが野グソした山で皆しってるからウンコたれ山。それで通じるからそれで良いと。


まぁ、そんなことはさて置き銃声が聞こえ「止めたぞぉ〜」と無線が入って一旦集合。軽トラの荷台には猪が横たわっていた。捕れたてを見たのは初めて。なんというか、スゴイ。おにぎりを食べながらしばし休憩。

「まだ近くにいるぞ」と食べたらスグに出動。今度は支部長の車に乗せられ移動。猪の位置の指示は支部長の無線から発信されていた。ハンディのGPSを見ながら「あっちだ、こっちだ」と。そのGPSを助手席に乗った俺に手渡し「犬どっち行った?◯番の犬な」。見方も使い方も分からないが、そんなことはお構いなしの様子。これが猟師の教え方か、なんと男らしい!雑だ。

なんとなく見方や使い方が分かってきた頃「よし、ここに立ってろ」と車から降ろされ待機。今回もどっちからくるのか分からず自分がなんとなく予測する方向を向いて静かに待った。その時だった「ぴゅ〜ぴゅ〜」と道路の先から鳥の声ではない音が聞こえた。先を見ると支部長が「バカタレ反対だ!しかももっと下に行け!」のゼスチャー。反対を向いて待機していた俺は前かがみに静かに下に移動。静かに...静かに...音に集中した。犬の声が聴こえる。結構近いか?どうだ?こっち来てんのか?するとガサっパキパキっ。「!?」「で、で、でたーーーーーーー!!!」犬じゃない!矢先確認!猪だ!一瞬テンションが急上昇したが、次の瞬間やや冷静になった。思ったより遅い!もの凄いスピードで走り抜けるのかと予想していたのにトコトコトコ...遅ぇぇぇぇ。アバラの3本目心臓をガッツリ狙った。「ズドンっ!」「っん?」猪はそのまま走り続けている。当たった感触が分からない。もう1発アバラ3本を慎重に狙い「ズドンっ!」と、山側から転げ落ちてきた!そして道路の上から支部長が駆けつけて止めをさした。時間にしてわずか数秒。あっと言う間の出来事だった。

支部長がハンディで皆に無線を入れる「神保くん止めたぞーーーー!」

俺の弾は2発とも命中していた。狙った心臓からはややずれていて前足、後ろ足の付け根に着弾していた。無線からは「若ぇのやったな!おめでとう!」と入り、一番喜んでくれた会長は「ホントか?ホントか?」と5回ぐらい聞き直していた。支部長は3回目位から面倒くさそうに返答していた。このコンビはウケるw


写真を撮る暇もなく、犬回収、そして親分の家に行って解体。記念撮影的なものは無かった。解体もベテランハンターたちはマッハで完了。俺は足を持ってただけで練習できなかった。「昔はもっと丁寧にやってたんだけどな」今は毎日捕れるのでとっとと解体するという感じらしい。それにしても早かった。特に作業分担の会話もなく、全員が全作業をできて、空いてる作業を各自で終わらせていく。状況判断で一連の作業を言葉なく終わらせる、素晴らしいチームだ。猟師1年生の俺を猟に入れてくれ、皆の車に乗せてもらい、無線を貸してもらい、足跡の見分け方を教えてもらい、本当に感謝です。ありがとうございました。


肉は持ち帰り、血抜きをして後日、仲間の新人ハンターと予備軍に配った。俺の武勇伝を添えてw「俺の獲った猪だぜぇぇ」と。ベテランハンターたちが毎回酒飲みの場で昔の自慢話をするのが分かる気がした。



後日、肉をもって山形のアウトドアショップ「ディッセンバー」へ。菊地氏と奥様(?)に料理してもらい狩猟話で盛り上がった。料理や食器、演出など、いちいちカッコ良くて気分がいい。美味しいお料理ありがとうございました!酒を飲めなかったのが残念だったけど、次回は泊まりで鴨汁ですな。



今季終了まであとわずか。
事故のないように腕を磨こう。

[ Link ]


マタギ列伝 1 (中公文庫 コミック版 や 4-1)
矢口 高雄
中央公論新社
売り上げランキング: 70,686

0 件のコメント:

コメントを投稿